日々、さまざまな業務がある中で、事務的な作業というのは意外と時間を占めていると思います。
その中でも講座のスライド作り。
これは講師の皆さんにとってメイン業務でありつつも、本番とは違い一人で黙々とする作業です。
スライド作成の〈デザイン〉に関するお悩みというのは、これまで多く耳にしていましたが、なかなかお伝えする機会がなかったので、まずは講座スライドとインスタ画像の違いからお伝えしようと思います。
講座スライドを作ったり、インスタ画像を作ったり、行ったり来たりしていると、どちらもデザインなのに何かが違う。
うまくいかないと感じたことがあるのではないでしょうか?
この疑問に対する回答を、3つの違いに分けてお伝えしますね。
①情報量が違う
講座スライド・・・話す内容の補佐。要点のみを表示する。
インスタ画像・・・要点から解説まで全てを1話で完結させる。
②対象者が違う
講座スライド・・・内容に関心がある人。
インスタ画像・・・不特定多数に見られる可能性がある。
③大きさが違う
講座スライド・・・9:16またはA4サイズ
インスタ画像・・・4:5または正方形
講座スライドに限ったことではありませんが、名刺、チラシ、SNS画像、広告画像、パンフレット、ホームページ…
これらは〈デザイン〉という共通項はありつつも、目的や用途、対象者、サイズ、情報量や情報の性質が全て異なります。
デザインの依頼を受けた際は、これらを全て整理してからでないと作ることはできません。
(余談ですが、名刺やカード類は小さくて情報量が少ないので、安価で短時間で作れると思われがちですが、小さければ小さいほど内容を精査する必要があるため、逆に難しく技術が必要です。)
ですからインスタ画像のデザインを、講座スライドに当てはめようとすると無理が生じるんですね。
講座スライドの場合は、あくまでも話す内容の補佐ですから、基本的にイラストなどは不要です。
要点のみを記載し、文字サイズを大きめに設定したほうが、オンラインでもプロジェクターでも見やすくなります。
ただし、図解をしたほうが一目でわかる場合(表やグラフなど)、それらは入れてもOKです。
何か物足りないから、挿絵的にイラストを入れた方が良いというのは、情報過多の始まりです(笑)
デザインの成功の秘訣は情報整理にあります。これが全てといっても過言ではないほど。
講座スライドの場合は、話す+見せるの両方がその場で可能ですから、できるだけシンプルにしましょう。
情報が多いというと、文章の長さを気にする方が多いのですが、実は線1本、枠線1つとっても、人の目には「情報」の一つとなります。
大事なところを枠線で囲ったら、全部大事すぎて(笑)、枠線だらけになってしまったという経験はないでしょうか?
これは情報が絞れていないケースですね。
どれも大事なら、1枚ずつ分けるなどの工夫が必要です。
対してインスタ画像はエンターテイメント性を求められますから、要点×解説×楽しく伝わる工夫が必要。
なので似顔絵イラストや、フリーイラストを入れるなど装飾的な面も必要になります。
ご自身で講座スライド、名刺、チラシ、パンフレットなどを作る機会がある場合は、そもそも似て非なるものということを念頭に、誰に、何を伝えたいのかという情報整理をしてから、パソコンに向かうことをおススメします。